乳腺内分泌外科では患者さんにより低侵襲な治療を心がけ、以下のような研究ならびに治療を積極的に行っております。
乳がん
1. センチネルリンパ節生検法に基づく腋窩郭清を省略した縮小手術
アイソトープと色素を用いてセンチネルリンパ節を同定する方法を行っております。SPECT/CTヒュージョン画像を用いることでアイソトープ集積部位を正確に検出することを可能としています。腋窩転移を認めない患者さんに対しては、切除することなく低侵襲な治療を行うことが可能となりました。術後の疼痛や入院期間の短縮も可能で、社会復帰も早期に可能となり得ます。
2. CT・MRIによる拡がり診断
しこりの切除範囲を決定する事は、後の再発を防ぐ重要な事です。我々は放射線科医との協力で、CT・MRIを用いた拡がり診断の正確性向上のための研究を行っております。
3. 遺伝性乳がんへの取り組み
BRCA1/2遺伝子変異に関連する乳がん(HBOC)をはじめとするいう伝性乳がんに対しても診療を行っています。遺伝カウンセリング、遺伝学的検査、予防的手術の検討まで、乳腺外科医・臨床遺伝専門医・遺伝看護専門看護師等が連携し、患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。また、婦人科や形成外科など他科・多職種とも連携し、包括的な支援体制を整えています。
甲状腺・上皮小体
1. 首の傷を小さくし低侵襲な手術を行うために、上皮小体摘出の際特殊な放射線同位元素を用いて、腫瘍の同定を行い小切開での腫瘍摘出を確立する手術手技の開発を行っております。